冨澤ファームと飲食店のパートナーシップ
「レストランはわたしたちが作ったものをバトンタッチして、価値を何倍にも高めてくれる。」
そう実感しているからこそ、冨澤ファームでは飲食店のみなさまとのつながりを大切にしています。
その一つが援農。冨澤ファームには、学生や家族連れだけではなく、取引先でもある飲食店のみなさんも援農に訪れます。
飲食店のみなさまが援農をはじめるきっかけが生まれたのは『東京オーブン赤坂』の社長の一言でした。『東京オーブン赤坂』は冨澤ファームでできた野菜を使った料理を提供している東京のレストランのひとつ。「生産者の方と関わりを持ち、ぜひお手伝いしたい」と社長さんから直々にお願いされたとき、はじめは「何か裏で考えているのではないか」と畑に受け入れことに少し身構えたりもしました。笑
それでも『来るもの拒まず』の精神が冨澤ファームらしさ。
畑を開放しようと決意しました。
収穫物の袋詰め・種まき・苗植え・栽培終了した野菜の片付け・ビニール張り。手伝いにくる学生と同じ内容のお手伝いをレストランのスタッフさんにもお願いしました。
外で土に触れ、会話を楽しみながら、一つの作業に没頭する飲食店のみなさん。
実際に畑で交流を重ねるうちに、レストランのスタッフのみなさんも純粋に農業を楽しんでいると感じました。畑で共に汗を流していると社長の渡辺さんから「農産物はすでに完成している。わたしたちの仕事はその魅力を引き出すだけ」という考え方にも感銘を受け、信頼関係を築くようになりました。
冨澤ファームにとっても飲食店の方と交流を持つことで、経営者の視点を養えるようになりました。飲食店の経営者と会話することで、農業とはまた違う考え方を学ぶことができています。
最近では、東京オーブン赤坂のスタッフだけではなく、レストランのお客様までも一緒に援農に受け入れをしています。冨澤ファームとこうして関係性をもっていることが飲食店のブランディングやお客様との絆づくりになっているそうです。またレストランのスタッフの皆さんにとっても、冨澤ファームで援農をすることは業務の一環となっており、社内の交流の場として欠かせないものになっているそうです。
はじめは一つのレストランだけでしたが、社長さんの紹介でつながりが増え、今ではパン屋さんなどさまざまな飲食店のみなさまが冨澤ファームの畑に集います。
生産者と飲食店という異なる立場ですが、冨澤ファームは対等な関係を築きながら飲食店の方と一緒に畑を育てています。